コモノポリタン

コモノ、デジモノが好きなKomonopolitan住民 (はてなダイアリーからの引っ越しです)

【Home AssistantでDIY Smart Home】置き配を確認したい!(ATOM Cam Swing)

【Home Assistant(Hass.io)】
ATOM Cam Swingを玄関外に設置

「Home Assistant(Hass.io)でホームオートメーション 再起動!」シリーズです。

 なんか安価で面白そうなIoTカメラ:ATOM Camは前から気になっていました。でググっているとHome Assistantに(むりやり)統合している人もいた。よし買っちゃえ。

 まあ、だいたい勢いで買ったものはうまくいかないのが世の常です。こいつ、Home Assistantで使うには…向いてませんね。とりあえず録画もできず(Home Assistant上では、です。単体としては録画していますし、NASにも書き込めそう)、単にカメラ画像を見ることしか出来ませんが玄関に設置してみましょう。

この記事の前提条件
Home Assistant 2023.9.1
HassOS 10.5
Server Raspberry Pi 4(4GB)

 上記バージョンを前提とした手順です。 (最新版では動かないこともあるかもしれませんが、私が使っている限り、備忘録を兼ねて最新化してゆきたいとは思っています)

1. はじめに

屋内外カメラ ATOM Cam Swing
キューブなデザインでコンパクト。パン・チルトも可能で、取付位置の自由度も高そう(って、Amazonで買った時は思いました)。
ATOM 4.5mUSBケーブル
ATOM Cam Swingの電源はUSB経由から供給しますが、標準では1.8m、ちと足りません。で、これ4.5mのやつ。
設置台の部品
超強力マグネット(直径13mm厚さ2mm)を5セット(20個)、ATOM Cam Swing固定用の1/4インチネジとばねワッシャ。パネル固定用M3ネジ。百均や金物屋で購入。
配線用の部材
長さ1mの配線カバーは百均で手に入れました。

2口タップ
電源を取るコンセントをすっきり分岐させる為に。

2. ATOM Cam Swingのセットアップ

2.1. 通常セットアップ

 まずは普通にセットアップします。ほぼWiFiに設定の為なのかな。

  1. アプリをインストール
    ATOM - スマートライフ」アプリをApple StoreGoogle Playからインストールします。
  2. ATOMアカウントをつくる
    アプリを立ち上げるとメールアドレスでアカウントを作るようになっています。メールアドレスに認証用のコードが送信されます。パスワードも設定してアカウント登録は完了。
  3. バイス追加
    「カメラがありません」と言われるので、「デバイスを追加」ボタンを押します。
  4. バイスの起動と設定
    言われた通りに、ATOM Cam Swingに付属のUSBケーブル差し込み、付属のACアダプタに他方を差し込みます。カメラの下の面にあるリセットボタンを「接続待ちです」と(うるさく何度も)喋るまで押します。あとはWiFiの設定等をして、最後に表示されるQRコードATOM Cam Swingのカメラに映るようにすれば設定は完了。

2.2. 拡張ツール導入(atomcam_tools)

 次に標準では対応していないRTSP(Real-Time Streaming Protocol)に対応してくれるなどの拡張機能を提供してくれる拡張モジュールをATOM Cam Swingに入れましょう。
 Home AssistantでATOM Camを使えるようにするカスタムコンポーネントを提供してくれている人がいるのですが、そのカスタムの前提となるのがATOM Cam Swing拡張モジュールなのでここで入れておきます。
 基本、下記のサイトの言う通り入れていけばよし(ちなみにこっちはfolkのようですが、仕立てがきれいなのでこちらを)。 github.com

  1. まずはatomcam_toolsの最新版をダウンロードしておきます。 https://github.com/mnakada/atomcam_tools/releases/latest

  2. ダウンロードしたzipファイルを展開して、microSDカードに書き込みます。microSDはそれなりに速い(Class10以上)カードをFAT32でフォーマットして使ってくださいとのこと。(そういえばATOMは32GBのmicroSDを使ってね、と言っているけどそれはライセンスの制約らしい。32GB以上でも使えますよ)

  3. Home Assistantからtelnetすることもあるかと思うので、念のため 公開鍵~/.ssh/id_rsa.pubauthorized_keysにリネームしてmicroSDのルートに置く(置き換える)。

  4. 電源OffのATOM Cam SwingにmicroSDを挿入して、再度USBにつなぎ電源On。しばらくするとカメラが動き始めます(再起動完了)。

  5. 同じネットワークにある端末からhttp://<ATOM Cam SwingのIP>/にブラウザでアクセスすると下記のような設定画面が見えるようになっているはずです。

ここまで手元にカメラがあった方が良いので、玄関先に設置するよりも先にやっておきます。

3. 玄関外のひさしの下に設置

 カメラの固定の仕方は色々あると思います。スタンダードなのが壁にネジでぐりぐり固定する方法。うちの壁ちょっと固めなのと、非破壊スマートホームが身上なので、今回もそれは却下。よく見ると玄関の扉の枠が金属。とくれば、磁石!磁石!
 それと屋外設置では電源を取るのが結構面倒です。ATOM CamはUSBケーブルが電源ケーブルです(通信は無!)。これも壁に穴あけすればいいのですが、それは避けたいので隙間から家にケーブルを入れたい。ということで選択肢は、

  • (A) 玄関の扉経由
  • (B) リビングのスイング窓経由
  • (C) トイレの換気口経由
  • (D)トイレの窓経由

の4択です。できるだけ目につきにくい場所にしたいので、(C)トイレの換気口経由にトライしてみます。

3.1. 設置用の土台をつくる

 今回は、玄関の外のひさし下というか、扉の枠に磁石(好きです磁石、何でも磁石…)で固定。
 ATOM Cam Swingは底面に三脚に付けるネジ穴があります。つまりは1/4インチネジ穴。このネジ穴をうまく使えば磁石付きの土台に固定することができます(3Dプリンタで土台を設計すれば、いろいろなところに設置可能です)。
 隣の家も近いので、直接そちらに向いて撮影できないようにガードもつけました。
 で、こんな感じに。

(さすがに扉の枠のサイズが違うと使えないので、今回はThingiverseにモデルをアップしていません。)

  1. では組立です。本体はこんな感じ。
  2. 本体、ネオジム磁石、磁石の蓋、蓋を固定する両面テープ。磁石は一つの穴に2個なので、合計20個必要です。
  3. 本体の穴に磁石を入れます。隣り合う磁石は逆になるようにすると落ち着きます。
  4. 磁石がこぼれ落ちないようにする蓋を両面テープで貼ります。
  5. フロントのカメラ隠しパネルをM3ネジでネジ止めして、ATOM Cam Swing本体を1/4インチネジ(W1/4。三脚のネジですね)で固定。磁石の反対側は扉の枠を傷つけないようビニルテープでクッションを。気休め程度かもしれませんが。

はい、カメラモジュールの出来上がり。

3.2. ケーブル設置

 では実際に、ひさしの下のカメラ設置位置から、電源をとるトイレのコンセントまでケーブルを這わせて行きましょう。

  1. カメラの位置からぐるっと配線
     扉の上はどうするか決めてないので仮配線。たぶんダクトテープで固定かな。側面は配線カバーを。

  2. 扉からトイレの換気口まで
     3Dプリンタで作った土台に配線カバーを貼って固定する予定。(力尽きました…)

  3. 換気口を通して中に配線を入れる
     換気口のスリットを取り外してUSBケーブルの頭をぐいっと入れる。

    (このあとスリットをネジ止めすることを忘れずに)
     換気口の穴にダクトテープで固定して、ケーブルを傷つけないように換気扇モジュールをギュッと穴に差し込みます。ちゃんとケーブに換気扇が触れない状態であることを確認したらシャッタも装着。

    (内側(トイレ側)からの写真です)
     外側のケースをはめると、ケーブルの出方はこんな感じに。

  4. コンセントまでの配線カバー
     ここは玄関内側のTapoカメラの配線カバーと同じ方式。って言っても詳しく書いてなかったな…。
     壁紙に配線カバーの両面テープを直に貼ると取り外すとき壁紙が破れるかもしれないので、両面テープと壁の間に一層差し込みます。

    (1) 配線カバー加工の道具と部品
    3Dプリントしたステープラー土台と、その土台と配線カバーを貼りつけるための両面テープ(コマンドタブ)。配線カバーを切ったり加工したりする為には、カッターやプラスチック用のこぎり*1、整形用のやすりが必要。それと裏側の両面テープを削り取るスクレイパー(使わなくなったポイントカードとかでOK)。


    (2) 配線カバーの加工
    ステープラー土台の長さに配線カバーの裏の両面テープを取り除きます。設置後にコマンドタブを摘まんで引っ張れるように端に切れ込みも入れておきます。


    (3) ステープラー土台を壁に取付け
    ステープラー土台を養生テープで壁に仮に貼り付けて配線カバーの位置を確認します。場所が決まったら、ステンレス針を入れたステープラーで土台を固定します。


    (4) 配線カバーの両面テープを剥いだところに、コマンドタブを貼り、壁のステープラー土台の所に貼り付けます。


    やっと配線カバーの設置完了…ふぅ。

  5. コンセントのあたり
     既にSesame WiFiモジュール(と洗浄機能付き便座の電源)で占拠されていております。百均(百円ではありませんが)で買った2口タップで分岐させました。

    ううむ、まあ、収まっている様にも見え、ちょっとごちゃごちゃににも見え…。あれかな、掃除当番は私なので何とかしないといけないかな。玄関と同じように電源回り収納ケースを設計・印刷するかなぁ。

3.3. ひさしの下に設置

 電源ケーブル(USBケーブル)をATOM Cam Swingに接続するには、カメラを土台に固定している1/4インチネジを一旦外す必要ありますが、玄関の上の方で腰の痛みを感じながら結線*2作業をして再度ネジを締めて磁石で枠に貼り付けて、 完成!

4. Home Assistant設定

 atomcam_toolsを導入済みのATOMCam SwingをHomeAssistantから利用できるようにするためのカスタムコンポーネント(下記)を導入します。
github.com

HACSコンポーネントなのですが、導入の仕方は「知っているもの」として扱われているので、一応、やり方をメモっておきます。 (HACS自体の導入は以前記事にしましたし、ネット上にも多々ありますね)

  1. HACSリポジトリ設定
     サイドバーからHACSを選択し、右上のメニューリンク(縦3つの点)で「Custom Repositories」を選び、上記のGitHubのURLhttps://github.com/vwt12eh8/hassio-atomcam-hackを設定。カテゴリはIntegrationで。
  2. 右下の「EXPLORE & DONWLOAD REPOSITORIES」をクリックすると「ADD REPOSITORY」子画面が開くのATOMと入れて検索します。で、出てきた「ATOM Cam (Hacked)」を選択。
  3. 右下のDOWNLOADをクリックし、OKとすると、再起動待ちになりますので、Home Assistantを再起動しておきます。
  4. サイドバー「設定」⇒「デバイスとサービス」と進み、「統合」タブで右下にある「統合の追加」ボタンを押します。設定画面が出るのでカメラのIPとMACアドレスを設定し「送信(SUBMIT)」します。
  5. 無事登録されると「成功!」の画面が出ます。ここでエリアを設定してもよし。後でもできますが。
  6. 統合の中の「ATOM Cam」を開くと統合の概要ページが開きます。(統合(Integration)のあたりも、どんどんUI変わってゆきますが、大体は、いい感じに判り易くなっていっていますね)
  7. で、デバイスの所をクリックすると1台しかないATOM Cam Swingの設定状況が見えます。ああ、シンプル…。
  8. 「atomcam_swing....ストリーミング」のところをクリックするとカメラ画像を見ることが出来ます。

 ええっと設定項目はこれだけ?センサーはストリーム一つ?Subストリームは?せっかくパンチルトが出来るカメラなのにそのあたりの設定項目は出ないの?ううむ、むむむ。
 あと何だか安定しない。画像が出たりでなかったり。2Fの無線LANルータと1F(しかも外)なので、Wi-Fiの電波が弱いのかな。

5. おわりに

 ええっと、まだ録画もできないので、時々、玄関の様子を覗き見るだけ…。置き配確認までは至りませんね。頑張ろう!
maky-ba.hatenablog.com

*1:これは私が若かりし頃というか小学校か中学校ぐらいに買ったもの、長持ちしています。

*2:ああ血栓って変換された、どういうことだ。