【Home Assistant(Hass.io)】
電力モニタリング付きスマートプラグTapo P110M導入
「Home Assistant(Hass.io)でホームオートメーション 再起動!」シリーズです。
配電盤で電力モニタリングにトライしようとしています。が、これは電子工作が必要なのにまとまった時間が取れず、結果なかなか進みません。PHEVの充電がどんな電力ミックスか判るようにするためにも、コレ頑張らないといけないのですが…。
で、まあ、間をつなぐネタとして、個別の電力消費の多そうな機器の消費電力傾向を把握しようと思い、電力モニタリング機能付きスマートプラグを導入してみました。
実はもっと怪しい中華製の電力モニタリング付きスマートプラグを購入*1していたのですが、設定面倒(かも)と思って放置しているうちにAmazonブラックフライデーでちょっとお安くなっているP110Mを発見。
ちなみにより怪しい方の物はこれ。
(Home Assistant対応はしてそうなので、これも頑張って設定してみますね、そのうちにね。それにしても円安のせいでAliexpressで買っても安い感じがしなくなりました…。頑張れニッポン)
- 【Home Assistant(Hass.io)】 電力モニタリング付きスマートプラグTapo P110M導入
- 1. はじめに
- 2. Tapo P110Mの設定
- 3. Home Assistant側の設定
- 4. 電力量を測ってみた
- 5. おわりに
この記事の前提条件 | |
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Home Assistant | 2023.11.3 |
HassOS | 11.1 |
Server | Raspberry Pi 4(4GB) |
上記バージョンを前提とした手順です。 (最新版では動かないこともあるかもしれませんが、私が使っている限り、備忘録を兼ねて最新化してゆきたいとは思っています)
1. はじめに
1.1. 準備
電力モニタリング付きスマートプラグTP-link/Tapo P110M
1500Wまで対応で、電力モニタリングも付いているスマートプラグ。一応Matter対応。
Amazonブラックフライデーで1個1300円ぐらい。
(箱がすんごく小さくてびっくり)
1.2. TP-Link HS105との比較
箱が小さい(というかほぼ本体のサイズ)ので「ちいさー」と思いましたが、以前に買ったTP-Link HS105とサイズ比較してみました。
上がHS105、下がP110Mです。
ん?!角が丸められていたり、少し台形になってたりするので、P110Mの方が小さい印象ですが、並べてみるとほとんど同じですね。コンセントでの邪魔になり具合*2も同じ、ということですね。
外形以外の外見の違いは以下の通りですね。
- スイッチの位置が逆(HS105は右側、P110Mは左側)
- 動作LEDがスイッチと一体化(HS105はリング状にLEDが光るタイプ)
- (そしてこれが一番大きな点かも)N側のコンセントプラグが幅広でない!
一応、N側を意識はしているようで、うっすらとNと彫られていますが、N側が大きくなっていないタップとかでも使えるところが良いですね。
外見以外の差異は、次のとおり。
- 1500W対応に(これはうれしい。*3)
- Matter対応に(これは微妙)
2. Tapo P110Mの設定
同梱の「かんたん設定ガイド」の通りに進めればOKです。
- Tapoアプリを導入
既にカメラ用に導入済み - P110Mの登録
Tapoアプリの右上の「+」アイコンで「デバイスの追加」を選ぶ。「プラグ」→「Tapo P110M」と進み、あとは言われた通り。
≪注意≫
Tapoアプリが「Tapoがスマートプラグを見つけました Tapo P110M ...」と言ってきたりしますが、見つけているブツは正しいのですが、そこからはうまく登録できません。自分で「プラグ」…と選択して追加する必要あり、です。
らくちんですね。こんな感じに仕上がります。
ちなみに前述の通りこのデバイスはMatter対応デバイスですが、今回の設定ではMatterのマの字も出てきません。今後Matter普及してきた時に活用してみましょう。
それからIPアドレスは、無線ルーターの設定等で固定IP化しておくのが吉です。
3. Home Assistant側の設定
3.1. Tapo統合の導入
Tapo製品をHome Assistantで使えるようにする「統合」は標準には入っていません。ですのでまずはHACSを使って導入してゆきます。
「HACS」→「Integrations」で右下の「+ EXPLORE & DOWNLOAD REPOSITORIES」で「Tapo Controller」を検索し導入。
これで「統合」として設定できるようになりましたので、次に「設定」→「統合」で右下の「+統合を追加」から「TP-Link tapo」を検索し導入。今回設定しているTapo P110MのIPアドレスとTapoアカウントの情報を登録してゆきます。
そうすると、こんな感じに電源をオンオフするスイッチ(コントロール)と電力モニタリング(センサー)が登録されます。
≪注意≫
最初にTapo統合にP110Mを追加した時にコントロール(Switch)が現れないことがあります。そんなときは。、Tapo統合のデバイス一覧画面に戻って、コントール(Switch)が現れてない(「7エンティティ」と言われている)デバイスの右端の設定アイコン(タテ3点)から「無効」として、再度「有効」としてくあげてください。そうすればコントロールが生えてきます。
下の図が、試しに3Dプリンタとその上にあるLED蛍光灯に接続して、3D Benchy(3Dプリンタのテスト用の小舟)を印刷した時の消費電力(W)の推移です。
仕様上は消費電力336W(=3Dプリンタ320W、LED蛍光灯16W)ですが、まあだいたい50~200Wぐらいをウロウロしてますね。最初にノズルを加熱するときだけは300W強ぐらいまで行きますね。あと3Dプリンタのアイドリングは10Wぐらいなのですね。
それから、アドバンスド設定で「30秒」(デフォルト)と表示されていたのは、読み取り間隔のようです。そんなに頻繁に情報取得しなくてもよいからデフォルトのままでいいでしょう。
注!:
HACSで導入したTapo Control/Tapo統合ですが、作者の方も「LAN上で動作するけど、インターネットの接続がないと駄目。Tapoのサーバーと繋がっていて認証されてないと駄目」とWarning!(警告!)を出しております。ちょっと気持ち悪いですね。TP-LinkのHS105は、アプリに登録しなくても使えたので、それに比べると良くない方向に。
3.2. ホームエネルギー管理の設定
つぎにホームエネルギー管理(エネルギーパネル)の設定を進めます。
ヘルパー設定
スマートプラグの名前を例えばsmartplug_p110m_1
(1個目のP110スマートプラグ)とすると、月間消費電力量のエンティティ名はsensor.smartplug_p110m_1_month_energy
となります。
そのままエネルギーパネルに登録すると「?」となるかと。測定して表示したいのはスマートプラグ自体ではなく、刺さっている機器の方。例えば「3Dプリンター」の月間消費電力であればsensor.3dprinter_month_energy
と言う風に。
そんなときは「ヘルパー」設定でワンクッションおいてエンティティを作りましょう。「設定」→「ヘルパー」で右下の「+ヘルパーを作成」からテンプレートヘルパーを選択します。
名前は自由に接続した機器をイメージできるものにしましょう。「状態テンプレート」にスマートプラグの値をそのまま取得するテンプレートを記述します。
残りの「測定単位」から「状態クラス」までの情報は下記のように「開発者ツール」でスマートプラグを指定して、確認します。
これでsensor.3dprinter_month_energy
という名前のエンティティを作ることができましたね。
エネルギーダッシュボード設定
「設定」→「ダッシュボード」→「エネルギー」と進み、右下の「個々のデバイス」に先ほどつくったヘルパー・エンティティを登録します。
しばらくすると3Dプリンターの消費電力量が表示されます。
4. 電力量を測ってみた
関節くにゃくにゃのタコモデルを印刷してみた。
ヒーターの準備から印刷完了までざっと3時間半。印刷中の消費電力は100Wぐらい。待機中の電力は25Wぐらい。待機中が結構消費多いですね。その半分以上はLED蛍光灯ですが…。
グラフから目の子で計算すると100W x 3.5h + 25W x 2h = 400Wh
タコを1個印刷すると0.3kWh(LED蛍光灯が0.1kWh弱消費します)。うちの電力プラン(従量電灯B)の一番高いレンジの40円/kWhで計算すると12円。白いPLA plusフィラメント18.6gで54円。1個66円…安いのか、高いのか…。ま、こんな計算も出来るようになりました。
5. おわりに
ということで、個別の機器の消費電力/消費電力量を測る機械としては良いのではないかと思う。ただしTP-Linkとの常時接続*4が求められている点は不満(不安?)です。重要な機器には使えないかな。