コモノポリタン

コモノ、デジモノが好きなKomonopolitan住民 (はてなダイアリーからの引っ越しです)

3Dプリンタのフィラメントボックス制作

3Dプリンタのフィラメントを湿気から守れ!

 3Dプリンタのフィラメントは湿気が大嫌い、だそうです。まあ、これから冬の季節でほったらかしても湿度はどんどん下がる季節ですのでそれほど神経質になる必要はないかと思いますが、大きい(LABISTS X1にとってはという意味。まあ普通の)リールのフィラメントを購入したので、フィラメント用のドライボックスを制作します。

1. 下調べ

 カメラ等を保管する市販のドライボックスや、湿気たフィラメントの湿気を加熱除去できてそのままプリンタにフィレメントを供給できる箱など色々あります。箱、という意味では百均の漬物容器(丸形)が良いとかとも言われています。
 その中で、今回は「ひとりぶろぐ」さんの下記の記事のドライボックスをベースに制作しようかと思います。

hitoriblog.com

 まあ「ベース」と言っても私のプリンタ(LABISTS X1)で印刷できない大きさのものを小さな代替品にするところ以外はそのままですね。元の設計が素晴らしい!

2. 準備するもの

買ってくるものリスト

品名 個数 購入先 値段(参考) 備考
密封容器 5.5L 1 ダイソー 330円 大きめの店にしかない様子
608ZZベアリング 4 Amazon.co.jp 200円 20個999円。まあ格安なので回り具合はそこそこですが。
ストレート空気継手
ナイロンチューブ
各1 Amazon.co.jp 300円 チューブ2x4mm x2Mが2本、継手2種(M6, M10)各4個のセットで1180円
Xiaomi温湿度計
LYWSD03MMC
1 AliExpress 381円 6個2,286円。
M6ナット 1 金物屋 (道具箱に入っていたので価格不明) 多分ネジ・ナットのセット数個で100円?
M3x10ネジ・ナット
トラス頭
2 金物屋 30円 8個116円
M3x10タッピングトラス 8 金物屋 80円 18本181円
結束用ベルクロ 1 ダイソー 110円
両面テープ 適量 ダイソー 百均でもいろいろな種類売ってますよね

1500円ぐらいでしょうか、サンキュー!百均!Amazon!AliExpress!

3Dプリンタで印刷するものリスト

部品名
(データ名)
個数 データ元 備考
フィラメントスプーラー オリジナルのスプーラーは大きすぎて印刷できませんでしたので代替品を設計。
 ローラーホルダー
 (roller_holder.stl)
2 B
 ローラー
 (roller.stl)
8 B 2個で1個のローラーができます
 レール
 (holder_rail.stl)
1 B
クイック継手ケース内スムーザー
(quick_fitting_smoother.stl)
1 A
ゴム足
(rubber_foot.stl)
2 A TPUで印刷とありますが、まあPLAでとりあえず印刷
乾燥剤用棚 こちらも大きすぎるパーツありましたのでそこは代替品作りました
 棚の底板
 (shed_plate_mod.stl)
1 B
 棚用支柱
 (piller.stl)
4 A
 温湿度計用ブラケット
 (thermo_hygrometer_backet.stl)
1 A

印刷用のデータは下記からダウンロードして持って来ます。

A. 「ひとりぶろぐ」さんの3Dデータ

www.thingiverse.com

B. コモノポリタン(makyBa)の3Dデータ

大きくて印刷できないものはこちらにデータを作っておきました。

www.thingiverse.com

 ちなみにフィラメントスプーラは下記のモデルを参考にしています。 projexam.com かなり簡略化しています…シャフトもCカンもなく力任せでベアリングと接続しています。

 なおローラーと棚用支柱は、データは一ずつしかありませんが、LABISLICERでスライスする時に4回stlファイルを読み込んでうまい具合に配置すれば印刷はそれぞれ一度に4個できますよ。

3. 組み立て

3.1. 3Dプリントしたパーツの組み上げ

 ローラーホルダーにレールを挿入します。サポート材の残りなどでうまく入らない場合には、やすり等で頑張って調整します。次にローラー部品の真ん中の出っ張りをベアリングの中心の穴にぐいっと押し込みます。両側に押し込んだらローラーの出来上がりです。ホルダーのくぼみに差し込みます。フィラメントリールを交換する時に箱を横倒しにすることを考えると、両面テープをローラ部品の縁に貼ってホルダーから落ちないようにするなどした方が良いかもしれません(私はそうしています)。接着剤でがっちり固めるのよし。
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 棚の底板と柱をタッピングビスでネジ止めします。穴が小さいときは何回かぐりぐりやるか、キリなどで穴を少し広げてあげてください。小さな穴の精度はあまりあてになりません。温湿度計のホルダを底板に差し込み、温湿度計を差し込んでおきます。
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 空気継手の角でフィレメントが擦れて削れたりしないようにするのが「クイック継手ケース内スムーザー」ですが、これは中にM6のナットを仕込む必要があります(写真下のパーツ)。バリがあったりしてスムーズには入らないかもしれませんが、トンカチなどでガンっとやってはめ込みました。ゴム足(ゴムじゃなくてPLAですが)には両面テープを貼っておきます。
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3.2. 組み立て

 まず穴あけです。ダイソーの密閉容器のてっぺんに乾燥剤用の棚をつける穴(3mm)を4か所、側面の下の方にフィラメントを引き出す継手を通す穴(6mm)を1つ、底面にフィラメントスプーラーのレールを固定する穴(3mm)を2か所あけます。穴あけはフィラメントスプーラーのレールの2個の間隔向き以外は、ちょっとずれてもさほど問題なし*1。 なお乾燥剤の棚は、温湿度計を電池交換のために取り出せるようにするために、箱の開いている面からみて右側に温湿度計が来るように設置します。
 あとは、ゴム足を両面テープで貼り、部品を順にネジ止めしてゆけば出来上がりです。最後にナイロンチューブを70cmほどに切って継手に差し込みます。反対側はプリントヘッドのあたりに来るように取り回します。

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 チューブの中をそろそろとフィラメントが引き込まれてゆくので、今まで使っていたフィラメントガイドは不要になりました。変にフィラメントにプリントヘッドが引きずられて印刷物が歪むことも少なくなりました。ただしコンスタントにフィラメントエクストルーダーのモーター(プリントヘッドに内蔵)に負荷がかかるので、そのうち不具合とかありそうですが…。ま、それはその時に考えましょう。

4. おまけ(Home Assistant連携)

 フィラメント・ドライボックスに装着した四角温湿度計(LYWSD03MMC)は、既にHome Assistantと連携できるようになっています。遠隔からでも乾燥状態がわかるように、3Dプリンタ監視画面の下の方にドライボックスの湿度を表示してみました。
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 ドライボックスを増やしたらどんどんココに並べてゆけば常に状態が監視できます。(それ嬉しいのか、ってのはありますが)

 それから、ちなみに中に入れているのは、SUNLUのPLAホワイトです。LABISTSのスライサーLABSLICEのデフォルト設定でもなかなか綺麗に造形できています。ここで紹介している部品もこのフィラメントで作りました。

 1kg2500円ぐらいでしょうか。安い方の部類に入るかと思います。格安ではありませんが。

5. おわりに

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 3Dプリンターを動かすこと9回、これが一番時間がかかりますね。組み立てはそれほど時間はかかりません。この小さな乾燥剤棚で十分乾燥を維持できるのか、半年後の梅雨時が楽しみです(?!)。

  maky-ba.hatenablog.com

*1:私のフィラメントスプーラーの穴もちょっと傾いちゃいました。ローラーが7mm幅なので少しずれても大丈夫だと思いたい。